※TVCMで使用された築地一号店の再現

※TVCMで使用された築地一号店の再現

──何か印象に残っているエピソードや、思い出に残っているお客様はありますか?

築地には市場の必需品である「手かぎ」があった。以降、店舗の備品として標準化されている。
お客さんの忘れ物のNo.1は手かぎだった。
親父からは、常に目線を利かし、機敏に反応せよと厳しく教えられた。熟練された店員の動きはとても速く、4倍速のように見えた。

──質問がやや重複しますが、こんな笑えることがあった。というエピソードがあったらお教えください。

カウンターの内側は水で濡れていて、長靴で滑りながら動いていた。
丼を同時に4つまで持って提供し、その様はまるでマジックのようだった。(ローラースケートで商品を運ぶ、アメリカのハンバーガーショップのような感じ)たまに、滑ってひっくり返る事もあった。
(カウンターの下が少し空いていたので)店員が滑るときの水しぶきがお客さんの足に掛かることがあった。常連さんは、慣れたもので、店員の動きに合わせて足を上げて、水しぶきが掛からないようにしていた。

──築地市場や世情についてお聞きしたいです。
安部会長が吉野家に入られた昭和40年代の半ばの印象で結構です。

当時の築地市場の雰囲気について、近くの大通り、晴海通りや新大橋通りの印象。
人と車が秩序無くごった返していた。
市場ではトロ箱を積んだ台車が行き交ってた。

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