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「パッカー」とは、アメリカのと畜・・・食肉販売業を営む業者の名称です。その業務内容は多岐に渡り、購入した生きた牛(家畜)をと畜・・し、約1日の冷却期間をおいて骨抜き(脱骨)を行い、部分肉の生産・箱詰めを実施します。パッカーは、こうして商品となった食肉の、スーパーマーケットや外食産業等へ販売・輸出までの業務を担います。
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パッカーの工場(と畜・・/加工場)に納入された成体牛を、トラックで長距離間輸送されることによるストレスを解消させるため、一定時間休息させます。その後、USDA(米国農務省)の検査官が1頭ずつ目視検査を行い、正常な牛のみと畜・・します。
と畜・・前の成体の目視検査目視検査を合格した牛はと畜・・されて、皮剥ぎ・内臓の摘出・枝肉の洗浄が行われ、その工程の中で脊柱以外の特定危険部位(SRM)が除去されます。と畜・・・皮剥ぎ・内臓摘出の工程では、O157の飛散防止のため(牛の体面や胃や腸にある残さ等はO157に汚染されている可能性が大きい)、食道の入口と腸の出口をそれぞれ紐で結ぶ等の処置を行います。特定危険部位(SRM)除去では脊髄の飛散が懸念されていますが、アメリカでは背割りした後に、真空吸引機で吸い取り、O157対策も含め、その後枝肉の洗浄を3回以上行っています。
皮剥ぎされた枝肉もUSDA検査官が1頭ごとにチェックをし、打ち身や大きな傷のあるものを廃棄します。食用に供するための正常な枝肉のみを最終洗浄します。
摘出された内臓は内臓処理室で洗浄・仕分けされ、USDA検査官が1つ1つチェックします。洗浄完了した枝肉は冷蔵庫で24時間冷却します。
アメリカの大手パッカーは出荷者(フィードロット)を1頭ごとに記録しており、重量や後述する格付け等に応じて出荷者に支払いを行います。また、そのデータを今後の買い付けの参考にします。
脊髄除去
枝肉の洗浄冷却後の枝肉は、USDA検査官によって1頭ごと検査、格付けされます。
牛肉の格付け規準には、USDAが制定した肉質の等級を表す品質格付け(クオリティーグレード)と、歩留の等級を表す歩留格付け(イールドグレード)があります。
USDAの品質格付けは、肉の柔らかさ、ジューシー度、風味、霜降り度等、全米共通の指標として1927年以来長年に渡って使われてきました。
その分類は、最高級品質であるUSプライム(US PRIME)から順に、USチョイス(US CHOICE)、USセレクト(US SELECT)、USスタンダード(US STANDARD)等8段階に別れています。日本が輸入している牛肉はプライム、チョイス、セレクトの3種類が主体です。また、アメリカ全体のと畜・・頭数の約80%がこの3種類で占められています。この格付けの牛肉は、前述のシステムで飼育された16〜24ヶ月齢(18ヶ月齢前後が中心)の肉用牛(ステア、ヘファー)を加工したものがほとんどです。
一方、歩留格付けは、1965年から使用されるようになり、牛枝肉から丁寧にトリミング(除去)された骨なし小売部分肉の歩留を基準に決定されます。歩留の高い順にイールドグレード1(YG1)からイールドグレード5(YG5)まであります。アメリカの消費者は、健康志向の高まりから赤身の多い牛肉を好むようになり、この歩留格付けも必要となってきたのです。
枝肉にはUSDA格付けのスタンプが付けられますが、一部にはこの格付けを受けない場合もあり、これをノンロールまたはアングレードと呼びます。パッカーはこの格付けをベースに枝肉を仕分けし、骨抜きを行います。
格付けを表すロールスタンプ 見本の一部
一昼夜の冷却後USDAの格付けをされた枝肉は、ボーニングルームと呼ばれる骨抜き・カット工場で、まず12/13リブ間でカットされ、肩(フォアクォーター)および腿(ハインドクォーター)の部分で分割されます。その後のカット方法はパッカーによって多少の差はありますが、それぞれの部位にカットし骨抜きを行った上で、脂・筋等のトリミングを行い部分肉とします。
吉野家が使用しているショートプレートはフォアクォーターの一部で、以下の骨格図のivからカットされています。ショートプレート系には次のようなカットがあります。
骨抜き
ショートプレート
| 121 | ショートプレート(SHORT PLATE) ※ともバラ |
|---|---|
| 121B | ショートプレート畜産振興事業団規格 (SHORT PLATE LIPC SPRC) |
| ショートプレート吉野家規格 (SHORT PLATE JAPANESE SPEC / 9INCH PLATE) |
|
| カルビプレート(CARUBI PLATE) | |
| スーパーパストラミ (SUPER PASTRAMI) |
|
| 123A | ショートリブ(SHORT PLATE SHORT RIBS) ※骨付きカルビ |
| ボンレスショートリブ (BONELESS SHORT RIBS) |
アメリカではエンドユーザーの要望により、各部位の規格を客観的なものにするため、米国農務省(USDA)、同省農産物市場課、一般消費者、業界各機関の共同作業により「食肉購入仕様規格(IMPS:Institutional Meat Purchasing Specifications)」を作成し、それぞれの品目番号としてIMPSナンバーを制定しました。上記カット名の先頭に付いている数字がIMPS ナンバーであり、この番号を用いて取り引きが行われています。
なお、O157感染に対しても徹底した衛生管理体制が敷かれています。アメリカの工場は、と畜・・場とカット工場が1つの建物の中にあるために、それぞれの分離が徹底され、作業員の往復も禁止し作業着やヘルメットの色も変えています。また、ボーニングルーム(骨抜き・カット工場)の温度は45℉(7℃)以下に設定されており、作業台・壁等の細菌検査を毎日行っています。
ボーニングルームでカット整形された吉野家規格のショートプレートを、1ピースごとにフィルムでラッピングし、USDA認定のダンボール箱に箱詰めします。ショートプレート1枚の重量は5kg前後で、1カートン当たり8枚前後を平らに詰めて糊付けし、それぞれのカートンを封印します。カートンにはブランド名、品目名、品質等級、製造年月日、製造工場名、個数、重量、バーコード等の項目が表示されています。また、バーコードには脱骨・加工されたシフト番号・時間帯等も記録されています。
以上の表示と工場の記録により、カートンに納められたショートプレートの元となった牛の生産者まで判別することが可能なのです。
箱詰め
カートン表示箱詰めされたショートプレートは、それぞれの工場にある急速凍結庫または近くの営業冷蔵庫で急速凍結します。製造からこの凍結完了までは、およそ3〜7日間を要します。凍結完了後、40フィートの海上コンテナに18〜22トンのショートプレートが積み込まれ、出荷となります。
出荷に際し、カートンにシッピング(船積み)マークが表示され、それまでに記録されているデータ・カートン表示・シッピングマークに基づき、日本向け輸出用の衛生証明書がUSDAから発行されます。
ショートプレートが積み込まれたコンテナはシールによって封印され、日本に到着し営業冷蔵庫に倉入れされるまでシールを剥がすことはできません。シールの破損が発見された場合は、日本での通関に支障をきたすことになります。
コンテナ詰め工場(営業冷蔵庫)でショートプレートを積み込んだコンテナは、トラックか鉄道で輸送され、2〜10日ほどで西海岸の船積み港に到着します。コンテナの到着後に輸出手続(輸出通関)が行われ、船積みされて日本に向かいます。
船積み後、船会社から船荷証券が発行されます。この船荷証券には、品目名・箱数・重量・シッピングマーク・シールの番号等が表示されています。
工場で箱詰めされたショートプレートは、日本に到着して営業冷蔵庫で通関を行い、吉野家のミートセンターに納入するまで、一切外部と接触することはありません。
船積み
